世界をつなぐ越境者
~Beyond the hill today, Beyond yourself tomorrow~
普通科(進学型単位制)
〒605-0000 京都市東山区今熊野悲田院山町5-22[MAPを見る]
TEL. 075-561-4142 FAX. 075-551-9046
今年は春の訪れが少し早く,本校の坂道に咲く日吉桜は,新入生の皆さんを待ちきれないかのように四月初めから満開となり,残り桜となりましたが,今日も皆さんを歓迎してくれています。
ここに,令和四年度京都市立日吉ケ丘高等学校入学式を挙行するに当たり,学校評議員 瀬古 重樹 様,PTA会長 千賀 修 様,同窓会長 審 政義 様を始め,多数の御来賓,保護者の皆様方の御臨席を賜り,衷心より,お礼を申し上げます。
ただ今,入学を許可いたしました新入生の皆さん,入学おめでとうございます。教職員一同,在校生とともに,皆さんを心から歓迎いたします。
本校は,昭和二十四年の創立以来,七十三年の歴史を持つ学校であります。この間,時代の変遷とともに,本校も変化を遂げてまいりました。平成七年度には京都府下で初の英語科を設置し,その後,平成二十一年度には英語科を国際コミュニケーション科に転換いたしました。さらに,平成二十六年度からは,高校入試制度の変更に応じて,より広い地域から大学進学を目指す生徒が集い,自分の興味・関心や進路希望に応じて主体的に学ぶことができる「進学型単位制普通科」となり,現在に至っております。皆さんは,進学型単位制普通科となって第九期生となります。
本校の教育目標は「自律」・「協働」・「創造」であり,育てたい生徒像は「世界をつなぐ越境者」であります。この言葉には,自分の壁やまわりのさまざまな境を越えて挑戦し,いろいろな人々とつながり,自分の世界を広げ,新しい価値を求める人に育ってほしいという願いが込められています。
さて,私たちは今,大きな社会変動の中に身を置いています。
我が国は,新型コロナウイルス感染症への対策と経済活動を両立し,経済を回復軌道に乗せようとしています。また,本日から欧米を中心に百を超える国に対する入国拒否の措置が解除されるなど,国をまたぐ往来を緩和するための準備が進んでおり,今後は,国際的な経済活動の活発化も期待されています。
一方で,世界に目を向けると,二月にロシアがウクライナへ軍事侵攻し,今なお,ウクライナの各地で戦闘が続いています。現在,我が国を含めた多くの国がロシアに対する経済制裁を行っていますが,世界経済に与える影響も大きく,エネルギーや食料の供給不足から物価が上昇するなど,私たちの社会や生活にも影響が及んでいます。
このような先の見えにくい世界情勢の中で,私たちが未来に向かって前向きに進むためには,国や地域などの様々な境の両側にある歴史や背景,価値観を理解した上で,その境を越え,境の両側の世界をつなぐ架け橋となる人財が必要です。皆さんには,世界の平和と発展について考え,自分が何をしたいか,何ができるのかを模索し,自分なりの「世界をつなぐ越境者」に成長してほしいと願っています。
そのために,これから本校で高校生活を送る新入生の皆さんに,二つのことを伝えます。
一つ目は,失敗を恐れずに,どんなことにも挑戦してほしいということです。本校には様々な学びの機会があります。それらの学びを通して,自分のやりたいことを見つけ,なりたい自分の姿を思い浮かべてください。そんな自分にどうしてもなりたいと思うとき,きっと,乗り越えなければならない自分の壁が見えてきます。その壁を乗り越えるために,勉強はもちろん,部活動やさまざまな活動に主体的に挑戦してください。私たち教職員は,皆さんの挑戦を全力でサポートします。
二つ目は,将来,グローバル社会を生きるために必要な英語力と,主体性や発信力を身に付けてほしいということです。本校は,校内留学施設「HELLO Village(英語村)」を設置するなど,英語教育を充実しています。将来の自分のキャリアを展望しながら,目標を持って学び,英語力を高めてください。また,学校内外での学びを通して,日本や京都の伝統・文化あるいは優れた科学技術について理解を深め,自分の考えや意見を発信したり,行動したりできる力を身に付けてください。
今,二つのことを伝えましたが,何よりも,互いを尊重する良い人間関係をつくり,本校での高校生活を大いに楽しんでほしいと思います。
最後に,保護者の皆様に一言御挨拶申し上げます。本日はお子様の御入学,誠におめでとうございます。私たち教職員一同は,お子様が自らの未来を切り開き,健全に成長できるよう,全力で支援して参ります。
そのためにも,学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながら,相互に補完しあい,連携を密にしていくことが重要であると存じます。何卒,本校教育への御理解と御支援を賜りますよう,よろしくお願いいたします。
新入生二百四十名の皆さんが,本校での三年間の高校生活を通して,これからの時代を力強く生きていくことができるよう,大きく成長を遂げることを心から期待いたしまして,式辞といたします。
令和四年四月八日
京都市立日吉ケ丘高等学校長
本谷 一