「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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9月8日(月)、今年度の特設講座の4人目の講師として、東京藝術大学教授の櫻田亮先生を本校にお迎えしました。今回は、3年生の声楽専攻の4名がレッスンを受講し、イタリア歌曲を中心に、技術と表現の両面から深い指導をいただきました。。
櫻田先生はレッスンで、いろいろなことを伝えてくださいました。
発音の明瞭さや音の立ち上がりに関しては、ホールの響きの特性で自分の声を「聴いてしまう」ことや子音が弱くなる傾向があること、言葉に関しては、歌詞に込めらえれた感情を深く掘り下げて、言葉の発音や響きコントロールすること、言葉一つひとつに込める思いを丁寧に扱うといったこと、また、言葉の流れと音楽的な自然さを両立させるために、単語ごとのアクセントや文章としての自然な流れを意識すること、フレーズの中にある休符やコンマの存在にも注意を払い言葉の間を感じながら歌うこと、Ah~といった感嘆詞はどういう意味を込めるかは自分で決める必要があるなど、他にもまだまだたくさんのアドバイスをいただきました。
中には、省略された音楽記号は、イタリアの作曲家の場合は一般的な意味合いとは違う略語であることも多いという、生徒たちが学んでいる一般的な知識とは違うものがあるんだといった知識の扉を開くようなこと伝えておられました。
今回は声楽専攻の特設講座で、1年生2年生の声楽専攻の生徒たちも途中から客席で聞き、楽譜を見ながら真剣に吸収しようとしていました。アドバイスされていることは声楽のみならず、ほかの楽器であっても同じように注意を払う、意識する、コントロールする、そういった内容だったように思います。他の専攻の生徒たちにも聞いてほしい内容でした。
今回のレッスンを通して、生徒たちは技術だけでなく、音楽に込められた感情や物語をどう表現するかという深い学びを得ることができたのではないかと思います。言葉の発音の仕方、ブレスの取り方ひとつで、表現がが大きく変わることが実感できたのではないかと思います。
櫻田先生のご指導に心より感謝申し上げます。