「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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9月4日(木)、今年度の特設講座の3人目の講師として、京都市立芸術大学准教授の田村響先生を本校にお迎えしました。今回は、3年生のピアノ専攻の3名がレッスンを受講しました。
指導していただく曲をまず通して客席から聞かれた後、「最初のところはどんなことを意識した?」という質問からスタートされてました。細かいパッセージを引くときにどこに意識を持っているか、どんなイメージで曲を作っているかなど、生徒たちが何を考えて音楽を創っているかを大事にしつつ、それと実際に出てくる音との差を見られているような気がしました。
音を連ねながら、「右向く?左向く?前?どっち向く?」と質問されたり、スラーを奏でる際に「ボールを自然に跳ねるように意識してみて」といったことや、「重力を感じるように、自然に寄りかかったとところに意識をもっていくことで、より自然に歌うことができる」といったアドバイスをもらっていました。
また、「体のどことどこがつながっているか、どことどこが連動しているかがもう少しピントが合うともっと良くなるのでは」ということで、口の形や、肩の入り方、上体の動き、力の抜き方やピアノとの距離など、具体的な体の使い方の指示もありました。
また、最後に生徒からの質問にも丁寧に答えていただきました。「いろいろなことを試すことで、引き出しが増える」「感覚と楽譜に書いてある音に対してちゃんとしアプローチができることが大切」「人間性を高めることも忘れずに」といった今大切にしなかればならないことをしっかりと伝えてくださいました。
特設講座の時、いつも講師の方のアドバイス一つで、こうも生徒たちの音が変わるのかと思います。自分では気が付かない“何か”に対してアドバイスを受けることで、音がとても柔らかくなったり、響きがとても豊かになったり、響きの向きが変わったり…。無意識のうちに自分に付けている鎖を、うまく外すことができて本来の音が出せるようになったということなのかもしれません。
自分の音が変わる、そんなとても貴重な体験を特設講座ではすることができるのは、ほんとに幸せなことだと思います。