「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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7月14日(月)午前中、指揮者の佐渡裕先生にお越しいただき、オーケストラ定期演奏会のプログラムであるドヴォルジャークの交響曲第8番をご指導いただきました。
佐渡先生は本校31期卒業で、毎年オーケストラ定期演奏会の前に本校を訪れてくださり、オーケストラのメンバーがご指導を受ける機会を作ってくださっています。今年も本当にお忙しい中、2時間しっかりとみていただきました。
これだけオケの音が変わるのかと。生徒たちは佐渡先生の一振り一振り、指示の一つひとつをすべて見逃すまい、聞き逃すまいといつもにも増して集中し、食らいついていました。
「しっかりと弓を使うように」「もう少し大きく」「フレーズをもっと大きくとらえて」といった演奏上の指示や、「まずはオンタイム、次にニュアンス」「和音の理論は学ぶけど感覚がとても重要」「音程はみんなの中で合わせるしかい。音程は奏者の道徳観」といった練習に向かう意識にかかわることも随所に伝えられておられました。
振りながら「シーッ」と言うと、今まであまり聞いたことのないきれいさと意思を持ったピアニッシモが出たり、目と息と指先で指示をされるとすっと楽器と楽器がつながったり、先生の熱量を感じて素晴らしい響きが生まれたり・・・
また、いくつか印象的なお話を聞かせていただきました。「楽譜が語りかけてくるんだよ。」これは曲のイメージを持つ話としてされましたが、楽譜がしっかりと語りかけてくれているのをちゃんと受け取るためには、楽譜に対して真摯に向き合うことが必要なのだと感じました。また、「オケはみんな違うことを考えている」これは1つの曲を作り上げるけれども、それぞれは違う感覚を持っている。一人一人がどういう愛情や感情を込めるか、それぞれが意識をもってあたっていることを大切にして作っていく必要があることと、そしてそれをまとめるのが本当に難しいということでした。「オケは立体的だ」という言葉に集約されるのかもしれません。
生徒は「佐渡先生の指揮はどんな音楽を求められているかがとても良くわかる。普段は普段で積み上げていく良さはあるけれど、その瞬間に求められていることをすることはとても勉強になる」といった感想を言ってくれました。一期一会の「つながり」の中で伝えたい思いと受け取りたい気持ちがしっかりつながる瞬間だったのではないかと思います。
最後に感謝の気持ちを込めて校歌の3番を全員で歌って素晴らしい時間を終えました。
定期演奏会に向けて、オーケストラの土台をしっかりと引き上げていただいたと思います。生徒たちも先生方もいい本番を迎えるためにいっそう頑張る力となりました。
佐渡先生、本当に素晴らしい時間をありがとうございました。
「音楽は空気の振動でしかない。それが人を感動させるのは不思議だと思わないか?」という問いかけが心に響きました。