すべては君の「知りたい」からはじまる
普通科・探究学科群(人間探究科・自然探究科)
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6月14日(火)~16日(木)の1年生探究基礎HOPの時間に,京都大学大学院工学研究科教授の沼田圭司先生をお招きして,「クモの糸とゼロカーボン社会」と題した講演会が開催されました。
1年生のHOPでは,入学してからこれまで自分自身と向き合い,自分の知りたいという気持ち「探究の種」を探す活動が行われてきました。校内を探索し,普段何気なく使っている物の仕組みに目を向けてみたり,自分の心を突き動かした経験やものを分析したりして,自分の「興味」はどこに向いているのかを考えてきました。そこでぼんやりと見えてきた「興味」を,今度は「探究テーマ」にしていくにはどうすればいいのかという,生徒たちの中に湧いてきた疑問を解決するヒントとなるのが,今回の講演会です。運営や進行は,1年生の探究基礎委員が務めました。
講演では,沼田先生がすすめられている「クモ糸」の研究が紹介され,実際の研究とはどのようなものかを高校生にもわかりやすく説明してくださいました。現在までに分かっている情報を整理し,問いを立て,手法を採択し,実験をして,方針を見直したり,結論付けたりするという一連の研究の過程から,生徒たちは探究テーマを設定し,深めていくという具体的なイメージを得たことと思います。
講演の最後には,京都大学と京都府,島津製作所が協働している「ゼロカーボンものづくり」の紹介がありました。「どうして今の研究分野を選んだのですか?」という生徒の質問に対して,「(大学の専攻で)医療分野と環境分野を選ぶ時に,医療は病気の人という特定の人を幸せにする分野だけど,環境は次世代みんなを幸せにする分野だと思ったので(選んだ)」とおっしゃっていた沼田先生の言葉からも表れているように,次世代のために持続可能な社会の実現をめざす姿勢を生徒たちも学んだことと思います。
質疑応答では「理系科目が苦手だが,文理問わず研究や探究はできるのか」という生徒からの問いに,「できます。文理関係なく自分の興味のあることを研究することが大事」というエールをいただきました。一見文系に見えている分野も海外では理系だったり,理系の手法を文系の研究に活かしたりするなど,文理の垣根は受験のためにあるものであり,研究には関係なく様々な分野が絡み合っているため,どの教科も大事というお話は,これから文理選択をする1年生にとって重要な指針になったのではないかと思います。